弁護士 秋山亘のコラム

2018.07.30更新

不法投棄と土地の明け渡しの法律相談

 

<事例>

  当社は、ある解体業者A社に資材置場として土地を賃貸していたのですが、 地代を長期間滞納されていたため、契約を解除しました。

ところが、その解体業者は、その土地一杯に、わけのわからない家電製品や建築廃材・土砂などを3メートル以上堆く積み上げており、土地の明け渡しには一向に応じてくれません。

当社は、やむを得ず、土地の明け渡しの裁判を起こすことになり、弁護士にゴミの撤去を含めた明け渡し費用について相談しましたが、土地が広いだけにまともに明け渡しの強制執行をやるとなると土地明け渡しの執行費用だけで600万円以上かかると言われました。

解体業者による地代の滞納は、契約解除後の遅延損害金も含めると300万円以上になります。しかし、解体業者は、他に借金も抱えているようで回収可能な資産は何もなさそうです。

明け渡しの強制執行には、ある程度の費用がかかるのは分かるのですが、できるだけ早く、費用を押さえて、明け渡してもらえる方法は何かないのでしょうか。

<回答>

 土地や建物の明け渡しの強制執行は執行費用がかかります。建物の明け渡しの場合でも、荷物が多い一軒家の明け渡しなどの場合には、執行官が一日のうちに荷物を全て持ち出して明け渡しを完了させるため、人夫の手配や差押え禁止動産類の保管料などで50万円以上の執行費用がかかる場合もあります。

 本件のようなゴミが堆積されている土地の明け渡しの場合には、まともに強制執行をすると、数百万円レベルの費用を覚悟しなければなりません。

 しかし、強制執行以外の方法が取れれば、その費用がだいぶ押さえられる場合もあります。

1 廃棄物処理法違反による刑事告発の警告による任意撤去・任意明け渡しの 申し入れ

 廃棄物処理法第16条では、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と規定されており、同法第25条8号では、第16条違反の罪に対し「5年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金に処する」と定めるなど厳しい罰則が設けられております。

 近時は、同法違反の罪によって逮捕され厳しく処罰されていることは広く報道されているところです。

 そこで、このような悪質な業者には、土地への前記のような不法投棄(長期間の放置行為)が廃棄物処理法違反の犯罪行為にあたることと刑事告発の用意があることを告げて、任意の撤去・明け渡しを促すのが効果的と言えます。

 差し押さえるものが何もない債務者にとって、単にお金の問題だけであれば、強制執行をすると警告してもあまり効果がない場合も多く、明け渡しの強制執行を実施されるまでは解体業を続けようと居直る者もいるでしょうが、懲役刑も含む刑事問題となれば話はまた別だと考えるでしょう。

 なお、廃棄物処理法第16条は、たとえ、ゴミを捨てたのが自分の土地であっても、廃棄物の放置期間、廃棄物の質・量、廃棄の態様、周辺への居住環境への悪影響などを総合考慮して「廃棄物」を「みだりに捨てた」と言える場合には適用されます。

 本件でも、ゴミとしか言えない建築廃材や土砂を長期間他人の借地上に堆く放置しており、A社においては、これを適法に処理する意思も能力もないと思われますので、廃棄物処理法第16条違反に該当する可能性は極めて高いと言えます。

2 破産申立をし破産管財人の協力による任意撤去・任意処分

次に、このような警告にも関わらず、相手方が、任意の撤去・任意の明け渡しに応じない場合には、債権者として破産申立をする方法が考えられます。

破産申立は、債務の支払能力又は意思がない債務者に対しその制裁として、債権者側からも申立ができます。

破産開始決定がおりると破産管財人が選任されA社の資産の管理・処分権限は全て破産管財人に移ります。

破産管財人は、A社の預貯金など資産価値のあるものを集めて破産財団を形成します。破産管財人は、この破産財団から費用を出してでも可能な限り会社の所有物を全て廃棄処分しなかればなりません。したがって、ゴミの任意の撤去・土地の明け渡しにも応じてくれます。

債権者側から破産申立をするには、債権額にもよりますが、数十万円から百数十万円の破産予納金を納める必要があります。しかし、この破産予納金を考慮しても、土地の明け渡しの強制執行によって、短期間のうちに大がかりな撤去作業をしなければならないよりは、だいぶ費用面では抑えられるはずです。

なお、破産管財人による調査の結果、A社には預金がほとんどなく破産財団としては何もお金がない場合もよくあるところです。

この場合、破産管財人としては、任意の土地明け渡しはできても、ゴミの撤去費用までは破産財団から拠出することはできません。

しかし、それでも任意に土地を明け渡してもらえる分、強制執行によって撤去するよりは安くすむものと思われます。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.07.24更新

老朽化した建物の建て替えを理由とした明け渡し請求

-その2 立退料の提供なく正当事由を認めた裁判例

  

<質問>

 建物の老朽化による立退請求の事案では、どのような事案であっても立退料の提供は必要なのでしょうか。

 

<回答>

裁判例としては、建物の老朽化による立退請求の事案では、ある程度の額の立退料の提供を必要とする事案が多いといえます。

しかし、家主側の正当事由が強く、賃借人側の要保護性がかなり低いと認められる事案については、立退料の提供を不要とした裁判例もあります。

東京地判昭61・2・28(判時1215・69)は、賃貸人Xが建物をXの弟である賃借人Y及びその子に賃貸しており、Yらは同建物で不動産業を営んでいたという事例で、当該建物の老朽化が進んでいること、Xの老後の生活安定のため本件建物を取り壊して建て替える必要があることから、立退料の提供なしに申し入れた解約について、正当事由を認めています。

この事例では、賃貸人と賃借人が兄弟であり、賃借人が建替計画を知って入居していること、賃借人が不動産業を営んでおり、移転先を見つけるのが容易であることが特に考慮されて、立退料の提供を不要とされております。

 また、東京地判平3・11・26(判時1443・128)は、当該建物は築後60年以上経過し老朽化が著しく地盤崩壊等の危険性があること、賃貸人は高齢であり当該建物を取り壊して今後の生活の基盤となるビルを建築する必要があること、当該建物の近隣には賃借人が現住し所有するビルが存在するなど賃借人の営業場所の移転が比較的容易であることなどから、賃借人が薬局として使用している建物の賃貸借の解約の申し入れに、立退料の提供なく、正当事由を認めております。

この事例では、老朽化が激しく、地盤崩壊等の危険性など建物の安全性に鑑みて、公共の安全の見地からも建て替えの必要性が極めて高いことを重視して、立退料の提供なくして正当事由を認めたものと考えられます。

以上二つの裁判例のように立退料の提供を不要とする裁判例は、まだまだ裁判例の傾向として主流であるとは言い難い状況であると思われます。

しかし、建物の地震に倒壊は、建物に面した道路を歩行する人の生命にも影響を及ぼします。その意味で建物は公共的な存在であると言えます。

このような観点からすると、老朽化が激しく地震等による倒壊の恐れが現実的な事案については、立退料の提供なくして、立ち退き請求が認められるとする事案も今後は、少しずつ増えてくるのではないかと思われます。

 以上のように、建物の立退請求の事件は、事案によって高額の立退料の提供を要するものから、立退料の提供なくして立退が認められるもの或いはかなり低額の立退料で立退が認められるものまで様々ですので、立退請求の事案では一度専門家の弁護士に相談されることをお勧めします。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.07.17更新

老朽化した建物の建て替えを理由とした明け渡し請求

-その1 賃貸人の修繕義務との関係

 

<質問>

 建物の老朽が進み、建物の安全性が懸念される為、建て替えの必要性が大きいことを借地借家法28条の正当事由として、賃借人に建物の明け渡しを求めました。

 しかし、賃借人は、建物の貸主には民法606条により修繕義務があるのだから、建物の修繕が可能である以上建物に修繕を施すべきであり、建物の老朽化を理由とした正当事由は認められないと言って、明け渡しに応じてもらえません。

 賃貸人に修繕義務がある以上、修繕が物理的に不能なほど老朽化しないと明け渡しを求めることは出来ないのでしょうか。

 

<回答>

1 民法606条は、賃貸人の修繕義務を規定しておりますので、基本的には、建物が老朽化しても修繕を施すことで建物の使用を継続することが可能な限り、賃貸人としては修繕義務を尽くすべきでありますので、そのような事由のみをもって正当事由があると認めるのは困難です。

 もっとも、老朽化の程度と大修繕に要する費用如何によっては、修繕による建物としての効用期間の延長とその間の賃料収入による投下資本の回収可能性の見地からして、採算に見合わない場合にまで賃貸人に修繕義務を認め、建物への大修繕を実施させることは、賃貸人に酷であり、社会経済的な観点における建物の有効利用の見地からも妥当ではありません。

 そこで、修繕による建物の効用期間の延長という修繕効果に照らし、修繕に過大な費用を要する場合には、経済的には修繕不能な状態にあるとして、賃貸人が修繕義務を果たさない場合においても、建て替えを理由とする明け渡しに正当事由を認めることも可能と考えられます。

 もっとも、このような場合においても、立ち退きという重大な不利益を被る賃借人においては、相当の補償がなされるべきですので、賃借人の被る不利益を考慮した相当額の立退料の提供が必要になります。

2 この点、①東京高判平3・7・16(判タ779・272)は、明治37、38年ごろに建築された建物で老朽化が著しく、修繕をするには新築以上の費用を要することを理由に家主側の正当事由として認め、電器店を経営し、かつ、居住する賃借人に対し、賃借人の4年間分の営業所得に相当する1500万円(現行家賃の34.9年分)の立退料を支払うことによって正当事由が具備すると判示しております。

また、②大阪地判昭59・7・20(判タ537・169)は、4戸建ての長屋のうち中央の2戸はすでに空き家となっており、建物全体としては相当老朽化が進んでいる事案において、修理には多額の費用を要するうえ、修理後の耐用年数も7、8年程度であるので、本件長屋を取り壊して建て替える方が経済的であるとして、立退料150万円(現行家賃の約24.0年分)を提供することにより正当事由が具備すると判示しております。

前記の2つの事案では、立ち退料の金額に大きな違いが見られますが、その理由としては、①の事案と②の事案の基本賃料や土地価格の相違のほか、①の事案は、賃借人が電気店を営んでいたことからその営業補償を考慮しなければならないのに対し、②の事案は、単に個人としての住居であるため、移転費用(引越費用、新規借入費用と一定期間の差額家賃)を賄えれば十分と判断された為と考えられます。

 以上の裁判例では、立退料の提供を条件として正当事由を具備するとされております。しかし、中には、立退料の提供なくして正当事由を具備するとされた裁判例もあります。そこで、次回では立退料の提供なく正当事由を具備するとされた裁判例を紹介したいと思います。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.07.09更新

建物賃貸借と敷地利用権の範囲

 

<質問>

1 私は一軒家を自宅として借りて住んでおります。家の前には、車2台分のスペースの空き地があったため、その空き地を庭にして小さな家庭菜園に利用しておりました。

そうしたところ、貸主から、敷地は契約書上賃貸借の目的物にはなっていから、今後は駐車場にして第三者に貸したいので、庭部分の敷地を返して欲しいと言ってきました。

貸主の主張は正しいものなのでしょうか。

2 私は、ある貸ビルの1室を飲食店利用の目的で借り、レストランを開いております。営業時間中は店の前のビル敷地部分に可動式の看板を置きたいと思いますが、貸主は認めてくれません。どうしても看板を出したいならば看板料を支払うよう言われております。

 なお、賃貸借契約書では、店の前に看板を出すことは禁止されておらず、また、看板もよくある飲食店用の小さな立て看板で特に通行の障害になるようなものでもありません。

 貸主の言うとおり看板を出すことはできないのでしょうか。

<回答>

1 質問1について

借家人は、敷地を利用せずに建物に居住することは不可能ですので、一般には、「住宅に使用するための家屋の賃貸借において、その家屋に居住し、これを利用するため必要な限度で、その敷地の通常の方法による使用が随伴することは当然である」(東京高判昭三四・四・二三下民一〇・四・八〇四)と考えられています。

したがって、建物の賃貸借契約書に賃借物の範囲が明記されていなくても、「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」は、建物の賃借権に含まれていると解されます。

もっとも、どの程度の敷地利用が「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」といえるかは、いちがいには言えません。契約の目的、趣旨、賃料の決め方、貸した当時の建物や敷地の形状、賃貸人が黙認していた賃借人の利用方法などの事情を総合考慮して決められることになると思われます。

質問1のように、住宅用の一軒家の賃貸においては、駐車場2台分程度のスペースを、庭として或いは駐車場として、借家人が使用することは、当然、「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」といえます。

したがって、前記の敷地部分も建物の賃借権の範囲に含まれていると解せますので、貸主の主張は誤っていると言えます。

 これに対し、仮に、建物の前の空き地スペースが建物と同じくらいの広さで、駐車場10台分もある場合には、当該部分の敷地面積を考慮して建物賃料を決めたなどの特段の事情がない限り、その全部が「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」とは言えないと思われます。「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」と言えるのは、庭としてのスペース部分(駐車場1台分程度)及び家庭用自動車の駐車場1、2台部分に限られるでしょう。

2 質問2について

質問2の問題についても、「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」と言えるかがポイントになります。

基本的には、飲食店を開いて営業している以上、客を呼び寄せるために店の前の入口に看板を出すことは必要不可欠のこととも考えられます。

したがって、営業時間内に可動式の看板を出すことは「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の利用」にあたり、看板を出すことは建物の賃借権の範囲内と言える可能性が高いでしょう。まずはこの点を貸主に十分説明して話し合うことが肝心です。

 但し、賃貸借契約書で看板を出すことを明確に禁止している場合、看板を置く場所が避難通路に指定されているなどして消防法上看板を置くことが違法になる場合には、看板を出すことは出来ませんので、注意が必要です。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.07.02更新

消費者契約法と宅地建物取引

 

1 はじめに 

 平成13年4月1日から消費者契約法が施行されました。これまで、事業者と消費者の間には交渉力と情報に大きな格差があるため、消費者が不当な契約を強いられるといった批判がありました。

消費者契約法は、この格差を是正し、消費者を不当な契約から守る目的で定められた法律です。消費者契約法は、適用範囲が広い上、民法の特則として消費者保護にとって強力な保護規定を設けております。

そこで、今回は宅地建物の取引においても注意して頂きたい消費者契約法についてご説明します。

2 消費者契約法の適用範囲 

 消費者契約法は、「事業者」と「消費者」との間の契約に広く適用されますので、宅建業者が「消費者」と契約する場合や「事業者」に該当する貸主と「消費者」に該当する借主間の契約を仲介をする場合等は、この消費者契約法が適用されるということを念頭に入れて契約を締結しなければなりません。

 「事業者」とは、何度も繰り返し同じ内容の業務をやっている者のことです。会社でなく個人でも、また営利団体でなく学校・宗教法人などの非営利団体でも適用があります。

 「消費者」とは、「事業者」以外の者で、原則として個人の非事業者に限られ、団体は含まれません。但し、実質は個人と同視できる個人企業の場合には、通常の業務と全く関連しない分野での契約でしたら、「消費者」とみなされる場合もあります。

 なお、消費者契約法は、平成13年4月1日以降に契約締結されたもののみが適用される為、これ以前に締結された契約には適用はありません。

3 消費者契約法の内容

(1)重要な情報の虚偽告知・不提供による契約の取消し

 事業者が品物・権利・サービスの質や価格等について、真実と異なることを告げたり、又は、ことさらに消費者にとって不利益な事実を告げなかった場合で、そのため、消費者が嘘の事実が存在すると信じたり、不利益な事実は存在しないものと信じてしまった場合に、消費者は当該契約を取消すことができます。建物売買においては、重要な事項については、メリットだけでなく、デメリットも告げないと取り消される可能性があるのです。

(2)困惑行為による契約取消し

 消費者が退去すべき旨を事業者に表明したのに、事業者が消費者の住所や勤務先に居座ったため、消費者が困惑し、契約締結してしまった契約も、消費者は取消可能になりました。

(3)事業者の損害賠償責任を免除する条項の無効

・瑕疵担保責任の免責条項は原則無効になります。

 従いまして、例えば、建物の賃貸・売買における建物の欠陥、宅地の賃貸・売買における土地利用権の制限(地役権の設定、建築基準法の制限規定)等において瑕疵担保責任の免責条項を入れても無効になります。

・「事業者側による債務不履行によって生じた損害はこれを全額免除する」との条項も無効になります。また、事業者の故意・重過失によって生じた損害については一部免除の条項も無効になります。

(4)消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項の無効

・契約書において、消費者の債務不履行があった場合の損害額を「損害賠償の予定」「違約金」「迷惑料」等の名目で、予め通常生ずる損害より高額に定めている場合があります。しかし、このような取り決めた金額が、「同種の取引において生ずる平均的な損害額」より高額な金額である場合は、その超過分の損害額の定めについては無効になります。

 例えば、解除に伴う建物明渡し履行期日以降に借家人が居座った場合、通常賃料相当損害分の他に執行費用、事務手数料、迷惑料といった損害も通常生ずるでしょうから、賃料相当額よりも若干高めに設定することは、「平均的損害」を上回るとはいえないでしょう。しかし、通常賃料の3倍、4倍とする旨の約定の場合は、平均的損害を上回ることになるでしょう。どこまでが賃貸借契約という取引類型の解除の際生ずる「平均的な損害」であるかは、今後の裁判例の集積を待つしかないでしょうが、高くとも賃料の2倍までが限界ではないでしょうか。

・また、金銭支払義務の遅延損害金は、年率14.6パーセントに限定されます。それ以上の取決めをしても14.6パーセントまで減額されます。

(5)その他消費者の利益を一方的に害する条項

 上記の他にも消費者にとって一方的に不利な不当条項は無効になる可能性があります。

 例えば、事業者のみが契約内容を一方的に変更・決定できる条項、賃借人に畳み張り替え、クロス張替え、ハウスクリーニング等通常使用による損耗の回復義務も課した条項ですが、消費者契約法によってより一層認め難くなりました)。

 この他にもいろいろな例が考えられますが、要は、契約書を結んだからといって、必ずしもこれに拘束力を持たせることはできなくなったということです。逆にいえば、今後は何でも事業者に有利な契約書を結べばそれでよいというのではなく、各条項が消費者にとってあまりに一方的で不当・不公平な条項にならないよう契約内容の妥当性も考慮して契約条項を定めないとないと、結局は裁判で無効にされる場合もあるということに留意すべきでしょう。

投稿者: 弁護士 秋山亘

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